今日はお灸の話。
若林鍼灸院では、患者さんが熱く感じたら、中止するお灸「知熱灸」と、
モグサを小さく成形し、ツボに置き、直接焼き切る、昔ながらのお灸「透熱灸」
の2種類を行っています。
後者の「透熱灸」は確かに熱いのですが、モグサ(艾炷)の大きさが直径1mm~1.5mm程度と小さく、火傷の心配はまずありませんので、ご安心ください。
さて、肩や膝周辺などの曲面にお灸を据える場合、そのままモグサを皮膚上に置くと、空調の風や患者さんが体を動かすことにより、火のついたモグサが落下する危険性があります。
そこで我々・鍼灸師は、お灸をする皮膚を消毒液や水で湿らせたり、「灸点墨」という粘り気のある墨やボディクリームなどの油脂や糊などを使い、モグサを皮膚表面に固定します。もしくは大きなモグサならば、ピンセットで固定しながら、お灸をします。(市販のお灸を使う場合は、あらかじめ糊が付いているので、何もいらないのですが・・・)。
当院では、「紫雲膏」という漢方薬の軟膏を使って、皮膚表面に貼り付けています。
下の成分表を見てもらえば分るように、油脂に生薬が配合された軟膏です。
因みに有名な江戸後期の医師・華岡青洲が考案した薬です。
「紫雲膏」は、火傷にも効能があり、お灸の固定用には最適なのですが、ただ難点は、独特のニオイがすることかな・・・。
昔の高齢の鍼灸師にはツバでお灸を固定する者もおりましたが、今の時代、そんな鍼灸師はたぶん?おりませんので、ご安心ください(笑)
大阪府豊中市の若林鍼灸院HP