もぐさのメンテ

お灸に使う艾(もぐさ)の話です。
艾が湿気を帯びて硬くなってきたので、メンテナンスを行いました。
艾は柔らかくて成形しやすく、燃焼時間の短いものが理想なので・・・。

本来は天日干しがベストですが、駅前にある当院は日当たりがあまり良くありません。
さらに周辺に進学塾がたくさんあり、小学生だらけ。
干している艾にイタズラをされそうですので、仕方なく部屋干し。
ここからは決してお勧めできない裏技です。(きっとベテランの鍼灸師や艾屋さんから怒られます。)
先ずは電子レンジでチン(時間は30秒以内。長時間加熱するとと発火して大変危険!ご注意を!!
チンした艾を、拡げて蒸気を飛ばします。
後は、エアコンの温風にしばらく晒して乾燥(写真は待合室で温風に当ててるところ)。
業者さんの話では、艾は乾燥しすぎも良くないそうで、湿度10%代が理想だとか。
(だから乾燥剤と一緒に保管するのはNG。鍼灸学校時代にお灸の先生から怒られました。)
くどいようですが、天日干しがベストです。
この室内で乾かした艾は、「知熱灸」というお灸に使用します。
「知熱灸」とは、患者さんが熱さを感じたら取り外す灸法のことです。
小さく艾を捻り、最後まで焼ききるお灸を「透熱灸」と呼びます。
「透熱灸」に使うものは、100g10000円程する高価なものですので、レンジでチン!なんていう乱暴なことはしません(笑)
今回メンテをした艾は、紙箱で保管。
10000円の高級な方は、桐箱で保管しています(笑)
(和紙で包んでから箱に入れるのがベストです。)
この差は何!?
バレンタインのチョコの数に差があるように、この世の中は決して平等ではありません(笑)
大阪府豊中市の若林鍼灸院HP
追記)いつも勉強会でお世話になっている先生のHPに、艾の天日干しの記事があります。
吉岡鍼灸院ホームページ(神奈川県横浜市)
吉岡鍼灸院HP「閑話・もぐさの天日干し」
この記事を読めば、なぜ艾を電子レンジの電磁波?!ではなくお日様に当てる必要があるのかが理解できます。
他にもお灸に関する興味深いお話が・・・。
吉岡鍼灸院HP「鍼灸の話・古き良きもぐさ“熟艾”」
吉岡鍼灸院HP「鍼灸の話・お灸をすえる回数の話」
是非ご覧ください。