首凝り頭痛は頭板状筋

こんにちは。院長の若林です。
新年すぐに更新しようと思いつつ、あっという間に2月半ば。
遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。

若林鍼灸院には首凝りの方が毎日訪れています。
そんなガチガチの首凝りの方に欠かせないのが「頭板状筋」への治療です。

この「頭板状筋」は名前の通り、板状の薄い筋肉なんですが、こいつが凝ると厄介な事に頭痛を引き起こすこともしばしば。
特に頭頂部やこめかみ辺りの頭痛を誘発することがあります。

これが板状の薄いヤツのくせに自己主張が強い筋肉のイラストです。

凝ったんだったら、ストレッチをすればいいじゃん!
やってみると分かりますが、なかなか頭板状筋だけを単独で伸ばすことは難しいし、ストレッチ後のスッキリ感に乏しい。

じゃぁ、どうすんねん!

でも大丈夫。鍼があります。

頭板状筋は比較的に浅いところにあるので、丹念に凝りを探し、そこへ鍼をすれば凝りを解消することができます。

でも残念ながら頭板状筋への鍼だけでは効果が長く持続しません。

効果を長持ちさせるには、頭板状筋が凝ってしまう原因にアプローチする必要です。

皆様もご存知のように悪い姿勢や長時間のスマホやデスクワークも原因の一つですが、隠れた原因としては肩甲骨を安定させる筋肉の弱体化が挙げられます。

頭板状筋が働く際には、肩甲骨と連動して動くのですが、肩甲骨を支える筋肉が不安定だと、頭板状筋に過度な負担がかかってしますのです。

なので、肩甲骨を安定させる筋肉にキッチリ働いてもらうようにトレーニングする必要があります。

もちろん凝るたびに鍼に来れば、すぐに凝りは改善されますので、鍼灸師としてはこれで十分だとは思います。
しかしながら、時間やコストを重視される方や、セルフケアが面倒でない患者さんには、私が指導するトレーニング(簡単な筋トレ)を並行することをお勧めしています。

私自身も肩甲骨を安定させるトレーニングを実践しており、首凝り知らずの毎日を送っております。


※今回は頭板状筋に着目しましたが、首凝りや頭痛の原因は他の筋肉だったり、筋肉以外の原因ももちろんあります。

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☆おまけ 頭板状筋の詳しいデータを少々。
「頭板状筋(Splenius capitis)
起始 項靭帯の下半分、第7頸椎と上位3~4個の胸椎棘突起
停止 側頭骨の乳様突起と上項線の外側部
機能 (頸板状筋と)共同で頭と首の伸展と側方屈曲をし、かつ頭を少し回旋する
神経 中および下頸神経の後枝の外側枝」
(出典:ジョン H.ウォーフィル『図説 筋の機能解剖』第4版 医学書院 1993年)

腰痛は大腿筋膜張筋を緩める!

皆さん大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)ってご存じですか?

私は鍼灸学校に入学する前は聞いたこともなかったです。

この大腿筋膜張筋はマイナーなくせして、実は腰痛や坐骨神経痛の引き金にもなるキー・パーソンならぬキー・マッスル?なんです。

場所は大腿骨の出っ張り(大転子)の斜め上(前上方)にあり、骨盤の前の出っ張り(上前腸骨棘)の周辺にくっついてます。
画像で見るとこの辺りです。


働きとしては、股関節の屈曲させることがメインです。

股関節の屈曲とは、大腿骨が固定された状態では、骨盤を前に倒す働きとなります。
よって大腿筋膜張筋が収縮すると、骨盤が前傾します。
いわゆる「反り腰」の原因となります。

腰痛にせよ坐骨神経痛にせよ、まずガチガチになった大腿筋膜張筋を放置して、骨盤の前傾を改善しないまま、いきなり腰やお尻の筋肉に鍼を打っても、ダメなんです。

また大腿筋膜張筋がピンと張って硬いと、骨盤の両側面を中心に向かって押さえつけるような形になり、他のお尻(大殿筋、中殿筋、小殿筋等)の筋肉を脱力を妨げてしまいます。

だから大腿筋膜張筋を緩ませないままに、お尻の筋肉を治療しても、効果が今一なんです。
(「反り腰」じゃなくて「受け腰」「骨盤後傾」の方のガチガチのお尻を緩める為にも、大腿筋膜張筋は大切なんです。)

ですので、当院では腰痛、坐骨神経痛などの患者さんの腰やお尻にいきなり施術することは少ないです。

まず大腿筋膜張筋を緩める鍼や筋膜リリースを行います。
(筋膜リリースより鍼の方が早く緩みます。)

とにかく大腿筋膜張筋は治療の要だぜ!ということです。


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☆おまけ 大腿筋膜張筋の詳しいデータを少々。
「大腿筋膜張筋(Tensor fasciae latae)
起始 腸骨稜の外唇の前方部分、腸骨の前縁
停止 腸脛靭帯に沿って大腿の中部1/3
機能 腸脛靭帯に対する大殿筋の後方牽引作用に対抗して、大腿筋膜を緊張させる。  
   股関節の屈曲。外転。内旋の補助。
神経 上殿神経」
(出典:ジョン H.ウォーフィル『図説 筋の機能解剖』第4版 医学書院 1993年)

2022年もよろしくお願いします。

早いもので1月も終わろうとしております。
遅くなりましたが、当院へ通ってくださっている患者様、お世話になっている治療家の先生方、近隣の皆様、本年もどうぞよろしくお願いします。

年末で46歳になりました。
ここ数年、趣味の空手の稽古も全く出来ておらず、年齢を重ねるごとに体力は衰えるばかり。
患者さんの中には「先生は仕事で体を使うから運動になっていいよね」と言ってくだいますが、鍼にしても筋膜リリースなどの手技にしても腕は疲れますが、偏った動作ばかりで、全身の運動になってないんです。

そこで11月から簡単な体操を始めました。
数年前から、ごく一部の患者さんのセルフケアとして指導させていだいていた体操なのですが、自分自身はサボって真面目にやっておらず、自身で心底、効果を体感していませんでした。

3か月ほどほぼ毎日続けてみたところ、腰の痛みが出なくなってきたし、首の凝りや巻き肩などが少しずつ改善されてきているようです。
さらに、気が向いて時だけ鏡を見ながら空手の突きや蹴りなどの基本稽古を少しするのですが、確実に以前よりもスムーズに突くことができ、蹴りも高く蹴れるようになりました。空手の稽古をサボっているのにパフォーマンスが上がるなんて、自分でもビックリしました。

そんなこんなで効果を実感した体操(筋トレ)を今年から本格的に施術に取り入れたり、患者さんにセルフケア用にどんどん指導していきますので、常連の患者さん方、覚悟しといてくださいね(笑)

もちろん私は鍼灸師ですし、当院は鍼灸院ですから、鍼してナンボなので、鍼がメイン、運動療法はサブです。
鍼の方も、去年よりも技術の向上を心掛け、納得できる治療が少しでも出来るように頑張ります。

治療の合間に、書いた文章です。乱文お許しくださいませ。

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献血の効用?

先日、献血をしてきました。(阪急池田駅にて)

私は鍼灸師なんですが、注射針が怖くて、特に採血は苦手です。

それなのに、なんでやねん!と思われるかもしれませんね。
献血バス
献血の理由はズバリ、我らが愛するB型人間を助ける為であります。

何を隠そう、私はB型。
何故か不当な弾圧を受けるB型!?
献血は両親もB型、兄弟もB型、濃い?B型としての義務だと思っています(笑)

決してお礼の品の為ではございません…
献血のお礼

私の献血の理由などは置いといて、耳よりな情報を。
献血は一部の人にとって健康に良い可能性があるんです。
(全員ではないですよ。あくまでも一部!)

献血による健康へのメリットがあるかもしれない方は、鉄分が溜まっている人!
(特に男性は要注意。月経による出血もないし、飽食の時代の昨今は鉄の摂取量も増えています。)

過剰な鉄分が肝臓に溜まると、NASH (非アルコール性脂肪肝炎)の引き金になることもあるそうです。

また鉄分と心疾患の関係も疑われています。
何でも過剰な鉄分がフリーラジカルを活性させて、心臓の血管(冠動脈)に悪さをする可能性があるようです。

その過剰鉄分を排出できる献血は、人助けにもなって、自身の健康にもつながるかもしれないし、一挙両得ですな。

献血以外に個人で出来る、体内の鉄を減少させる手段としては、長距離のランニングが挙げられます。
長距離を走ると、繰り返しの衝撃が足底に加わります。その衝撃が足の裏の血管を流れる赤血球を破壊するので、結果的に鉄分が消費されます。(昔、行岡鍼灸専門学校で生理学のT本先生が教えてくれた。だから特に女子のランナーさんは、貧血に要注意です。)

これは冗談ですが、空手家なら前腕や脛の鍛錬(硬いものに前腕や脛ぶつけて鍛えること)でも赤血球が破壊できそうです。
たぶん鉄分を消費する前に、腕と脚が腫れあがり、使い物にならなくなりそう…。

走るのが嫌いだし、鍛錬は痛いし、私には無理かも。

汗を大量にかいて鉄分を排出するという、気の遠くなるような方法もありそうです。
しかし、効率が悪いし、干からびてしまいそうですな。

やっぱり献血による瀉血が現実的かも。

最初に書きましたが、献血の最大の目的は、輸血を必要としている方を助けることです。
健康の為に行うべきものではありません。

しかしながら、献血する人、しない人も、取り過ぎた鉄分が悪さをする可能性もあることを知っておいて損はないと思います。(鉄入りマルチサプリメントを飲んでる人も要注意ですよ。)

もちろん鉄欠乏症も問題ですので、ご注意くださいね。
興味を持たれた方は、以下の厚労省のサイトが詳しいのでご参照くださいね。
http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/07.html

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効果が分からないのですけど・・・

鍼灸の場合も、西洋医学の場合も、一般的に発症から日が浅いものの方が、治りやすく、慢性化したものは改善に日数がかかるものです。
それに堪えきれずに、病院や鍼灸院を渉り歩かれている方をとても多くお見受けします。(それは、もちろん治療家サイドの責任もあるのですが・・)

慢性でも五十肩や腰痛などは、施術後に多少なりとも痛みが軽減したり、関節がスムーズに動いたり、効果がすぐに見えやすいので、患者さんが治療へのモチベーションを維持しやすいように思えます。

しかし慢性の皮膚、内臓、神経系の病気、心の病などは、短期間では効果を実感しにくく、治療へのモチベーションを保つのが困難です。
たとえ辛い症状が軽減されてなくても、治療の継続により、
睡眠の質が改善したり、お食事がおいしくなったり、便通が整ったり、お小水の出が良くなったり、夜中のトイレの回数が減ったり、顔色が良くなったり、呼吸が楽になったり、知り合いから「最近、元気そうね!」と言われたり、気持ちが前向きになったり、肩こりがしなっくなったり、女性なら生理周期が整ったりと・・・etc
と確実に変化しているはずです。

これらの小さな変化を積み重ねる中で、ふと気付いてみると辛い症状が改善されているはずです。

せっかく貴重な時間を割いて高い治療を受けているのですから、辛い症状以外の身体の変化にも探ってみてください。きっと良い兆しに気づかれることでしょう。

モチベーションアップの為にも、患者さんに治療の中でお伝えすればよいのですが、余計なお喋りをし過ぎて、ついつい疎かになってまってますので、ブログに書いてみました(笑)

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