美容外科から経絡治療

昨日、テレビのトーク番組に、高須クリニックの院長が出演されいました。
高須クリニックは、郷ひろみのCMでおなじみの美容外科の有名病院です。
高須院長は新しい美容手術を取り入れる際は、事前に必ず自身の体で試すそうなのです。
ケミカルピーリングやリフトアップ、増毛や脂肪吸引に、豊胸手術までも自分の体で実験するらしい。(因みに院長は男性)。
自分でやってみて、痛みを知り、リスクやメリットを知ってから、患者さんにお勧めするそうです。
私も高須先生の考え方に全く同感です。
もちろん美容手術を勧めている訳ではないですよ。
自分でやって嫌な施術や、自分が受けたくない施術は、患者さんにしないとい点に共感しました。
私は、太い鍼でブスブス体に刺されるのは大嫌いだし、電気針(針通電)も嫌いだし、長時間刺されっぱなしになる置鍼も嫌いですし、少量の血液をツボから出させるのも(刺絡)も嫌い、痕が残るような大きなお灸も嫌いです。
痛くて怖い鍼灸は、嫌いです。
「自分が嫌なことは人にしない。」これは幼稚園や小学校低学年で教わる事ですよね(笑)。
ということで、いろいろと自分の体で実験した結果、自分で気に入った方法が現在の当院の治療法になってます。
当院の治療法とは、経絡治療による手足のツボへの接触鍼と散鍼というソフトな鍼と、知熱灸と糸状灸による熱くないお灸で、大変気持ちの良い施術です。
ただソフトなだけではなく、効果も実感できました。(ほぼ毎日、自分に鍼をしています。)
現代の特に都市に住む我々には、いくら伝統的な方法でもあっても、鍼の痛みや灸の熱さに耐えられなくなってきています(特に僕は根性がないので耐えられません・・・)
強すぎる刺激は、もはや害(副作用)すら生じさせるのではないかとも考えます。
ということで、当院では経絡治療によるソフトな施術を採用しています。
もちろんソフト鍼は痛くないようにという配慮だけではなく、陰陽論の観点から、体表の浅い部分「陽」であり、ソフトで軽い刺激も陰陽でいうと「陽」になります。「陽」の部分に「陽」的な刺激をすることにで、「陰」(体の内部)を治す、という意味もあります。
(難しいですね・・・。これらは、中国伝統医学のバイブル『素問』に根拠があります。詳しくはまたの機会に記します。)
経絡治療にはソフトな鍼だけではなく、理路整然とした診察法から治療法があり、経験的なものではなく中国の医学古典に根拠を求める姿勢などにも魅力を感じました。
ということで鍼灸学校時代より現在まで、毎月、経絡治療の勉強会に参加して勉強しています。
なんだか高須先生から、徐々に脱線してしまいましたね(笑)。

平成27年11月加筆 未だに痛い鍼は嫌ですが、病態によっては、深い鍼や太い鍼や本数の多い鍼をした方が、治療成績が良いようです。現在はソフトな経絡治療だけではなく、現代の解剖学・生理学に基づく、しっかりと刺す鍼も行っています。
「自分が嫌なことは人にしない。」と言っていましたが、今はやっていますね…。

大阪府豊中市の獨立軒若林鍼灸院