小さな受験生たちへ

当院は阪急豊中駅前にありますが、豊中駅前は昔から学習塾が密集する激戦区なんです。
治療院の並びにも、中学受験で有名な塾があり、院の前を小学生がひっきりなしに通っていきます。
今は受験シーズン真っ盛りで、思い詰めたような表情をしている子を見ると、胸が痛いです。
さて、少し脱線しますが、伝統的な鍼灸(特に経絡治療)の治療というのは、心身を動かす大本である、肝・心・脾・肺・腎という五蔵(臓)のバランスを経穴(ツボ)を通じて整えることを目的としています。
この五蔵(よく聞く「五臓六腑」っていうやつです)は、生まれたときから五つ備わっているわけではありません。
「脾」という蔵だけは、他の四つの蔵と違い、成熟に時間がかかり、男の子は精通、女の子は初潮の頃に完成するとされています。
「脾」とは、西洋医学でいうところの脾臓(Spleen)は免疫、造血などの役割を果たしていますが、東洋医学ではそのような物理的な機能の他に、精神的な機能を受け持つと考えています。
東洋医学では「意・智」という、物事に集中する力や自分で思考、推測する力などをも「脾」の担当になります。
ここで話を戻すと、過酷な受験勉強による、過度なプレッシャー、睡眠不足や運動不足、勉強の合間の夜食や間食などを続けていると、東洋医学的にも未成熟な子供の心身に悪影響を与えてしまいます。
特に、この「脾」の成熟を阻害してしまう可能性があります。
「脾」の精神的な機能に問題が発生し、相手の気持ちが理解できない子や、自分の頭で考えられない子になってしまうかもしれません。
仮に良い中学校に入学できても、バランスを欠いた大人になっては、意味がありません。
別に中学受験を否定する気は毛頭ありませんが、保護者の方々には、子どもの成績だけでなく、生活の方にも良く注意を払ってあげてほしいのです。
毎日、治療院のガラス越しに子ども達を見ていて、少し気になったもので・・・・。
阪急豊中駅前の若林鍼灸院(大阪府豊中市)ホームページ