ムクミ侮るべからず

91歳の祖母が入院しました。
数週間前に、心不全が原因で肺に水が溜り胸の苦しさを訴えて、救急車で病院へ運ばれました。
病院での処置のお陰で快方に向かい、まだ自宅に戻れないものの、とても良い状態です。
(中国医学的な脈診の所見からも、良い状態にあると思います。)
入院する前から、足の浮腫がとても酷い状態でした。
鍼灸をしても一進一退の状況でした。
救急車で運ばれる数日前から、信じられないのですが、足の皮膚から水が溢れだし、足が濡れている状態でした。
浮腫も極限に達すると、おそらく小ささ傷などから、行き場を失った水が漏れ出すことがあるようです。
私の相母のように心臓性の浮腫の場合は、TVでCMしているような浮腫防止のストッキングや弾性包帯による圧迫も避けた方が無難です。
マッサージやリンパドレナージ、整形や整骨院にあるような下肢を包みこむようなマッサージ器(メドマーなど)も止めた方がいいでしょう。
鍼灸の効果はあるでしょうが、まずは循環器の専門医の受診を薦めます。
臨床でよく出くわす症状なのですが、ムクミを軽く考えない方がいいのは確かです。
私もとても勉強になりました。
太い鍼を使ってブスブスと患者さんの下肢に刺している同業者の方は、特に注意した方がいいと思います。
私の祖母のように、皮膚から水が漏れ出しても知りませんよ。
マッサージをする場合も、下腿の浮腫だからって、安易に求心性に擦り上げれば良いわけではありません。
私を含めて、常に細心の注意を払って、施術に取り組まないといけません。
大阪府豊中市の若林鍼灸院HP