戦前の話

お盆も開院中!若林鍼灸院です。
さて、今日はご年配の方と接していて気付いた事を書きたいと思います。
私が往診先で接する方々は、70代・80代の方が中心です。
戦前・戦中にまだ小さかったり、若かった方が多く、多感な時期に大きな恐怖と不自由を強いられ、まさに戦前は「暗黒時代」だったと多くの方が語られます。
しかし、彼らより更に上の世代・90代以上の戦前の体験はどうも少し違うようです。
確かに戦中は大変だったようです。
ただ大正の末や昭和の初期までは、大阪では自由もあり、華やかさもあった時代だったそうです。
軍国主義一辺倒という訳ではなく、今の方と差ほど変わらない暮らしを送っていたようです。
(大阪の都市部の話です。地方の農村の暮らしは大変だったでしょうが・・・。)
私は学校で「戦前はすべて暗黒時代で、戦後にGHQのお陰で今の明るい?社会になった。」と教えられましたが、果たして本当でしょうか?
探してみると、案外身近に、元気な90代後半や100歳の方もおられるはずです。
(豊中市には約100人も100歳以上の方がおられます!)
小中学生のみなさん、夏休みの自由研究にインタビューしてもてはいががですか?
本やネットではなく、生の声を聞くと、面白い発見があるかもしれませんよ。

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祖父のこと

新年早々におめでたくない話です。
この記事は読み飛ばしていただいて結構です。

7日に祖父が急逝しました。
94歳でした。
新年3日に、入居して間もない老人ホームで転倒して大腿骨を骨折。
夜中にトイレに行こうとして、転んだようです。
老人ホームは床がフラットで廊下には手すりもあるのですが、室内には掴まるところが少なく、祖父には案外歩きにくかったようです。
今までは古い日本家屋に住んでいたので、狭い空間で段差や障害物だらけでバリアフリーには程遠い環境でしたが、歩く際には掴まるところが多くて、祖父には良かったのかもしれません。
骨折した箇所を固定する手術を5日に行い、術後はとても元気で、6日には意欲的にリハビリを行っていました。
しかし7日に急変し、心停止。
一時は蘇生し、状態は安定したものの、その日の晩に亡くなってしまいました。
心停止から蘇生した後に、脈診をしたのですが、いつもの祖父とは全く異なる脈状でした。
血圧も安定し、自発呼吸もあったのですが、意識不明で瞳孔の対光反射は失われていたので、回復の見込みは薄いとわかりつつも、一般の患者さんならば鍼をすることを断りますが、孫としては諦められないので隠れて祖父に鍼をしました(刺さない接触するだけの鍼をしました。何の変化も起きませんでした)。
そもそも祖父は、若い頃に肺結核で片方の肺を失い、更に残った片方の肺も肺気腫で機能が低下している状態でした。
呼吸器の専門医曰く「理論的には動けるはずがない」ほどの血中の酸素濃度だったのですが、祖父は酸素吸入もせずに94歳まで普通に日常生活を送っていました。
おそらく酸素が少ない状況下で、絶妙に体のバランスが保たれていたのでしょう。
西洋医学の「肺」と中国医学の「肺」の概念の違いや、中国医学でいう「五蔵(臓)六府(腑)」のバランスがうまく保たれていれば、西洋医学での致命的な欠陥をカバーできる可能性を、祖父が教えてくれたように思います。
余談が長くなっちゃいましたが、昨日が告別式でした。
94歳の大往生なのですが、36年間も一緒にいたので、使い古された表現ですが心にポッカリと穴があいたような感じがします。
今朝もローバー・ミニで往診に向かいながら、この車で病院や買い物に連れていったこともあったなぁ~とか、ミニをカッコイイと褒めてくれていたことなどを思い出しました。
祖父がスバル360に乗っていたこと、スバルでスイミングスクールに送ってくれたこと、坂道発進でたまに下がって怖かったことなどが頭に浮かんできました。
祖父は戦前に外国語学校で中国語を学び、紡績会社に就職し、中国や内モンゴルへ赴任していました。
戦後も仕事で何度も中国に渡航していました。
リタイヤした後は、一般の方に中国語を教えたり、中国残留孤児の方への支援に取り組んでいました。
鍼灸師になって、中国語の文献に触れる機会も増えたので、祖父に中国語を教えて貰えば良かったな、と今頃後悔しています。
でも身内に指導を受けると、反発してしまい、きっとうまくいかなかったでしょうけど(笑)

し、しまった!鍼灸院のブログだということを忘れて、脈絡もなく長々と身内の事を書いてしまいました。
辛気臭い話ですいませんでした。

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ムクミ侮るべからず

91歳の祖母が入院しました。
数週間前に、心不全が原因で肺に水が溜り胸の苦しさを訴えて、救急車で病院へ運ばれました。
病院での処置のお陰で快方に向かい、まだ自宅に戻れないものの、とても良い状態です。
(中国医学的な脈診の所見からも、良い状態にあると思います。)
入院する前から、足の浮腫がとても酷い状態でした。
鍼灸をしても一進一退の状況でした。
救急車で運ばれる数日前から、信じられないのですが、足の皮膚から水が溢れだし、足が濡れている状態でした。
浮腫も極限に達すると、おそらく小ささ傷などから、行き場を失った水が漏れ出すことがあるようです。
私の相母のように心臓性の浮腫の場合は、TVでCMしているような浮腫防止のストッキングや弾性包帯による圧迫も避けた方が無難です。
マッサージやリンパドレナージ、整形や整骨院にあるような下肢を包みこむようなマッサージ器(メドマーなど)も止めた方がいいでしょう。
鍼灸の効果はあるでしょうが、まずは循環器の専門医の受診を薦めます。
臨床でよく出くわす症状なのですが、ムクミを軽く考えない方がいいのは確かです。
私もとても勉強になりました。
太い鍼を使ってブスブスと患者さんの下肢に刺している同業者の方は、特に注意した方がいいと思います。
私の祖母のように、皮膚から水が漏れ出しても知りませんよ。
マッサージをする場合も、下腿の浮腫だからって、安易に求心性に擦り上げれば良いわけではありません。
私を含めて、常に細心の注意を払って、施術に取り組まないといけません。
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老人施設の良し悪し

今月は更新が滞っています。
短いですが、少しだけ書きます。
今年に入ってから、自分の祖父母のことや、患者さんの往診等で、老人施設や病院にお邪魔することが増えています。
最近、施設の良し悪しというか、最低限クリアすべき基準を簡単にチェックする方法を見つけました。
それは、臭いです。
排泄物の臭いがするか否かです。
(どこでも少しは臭います)
入居者や入院患者さんのオムツを頻繁に交換し、ちゃんと着替えさせ、汚れ物の処理と清掃が行き届いいれば、施設内に強い臭いが充満することは無いはずです。
もちろん現場のスタッフさんに罪はなく、皆さん全力で頑張っておられるので、施設の運営や人員面の問題、制度的な問題だと思いまが・・・。

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出張施術も承ります

今朝は、ご家族の介護でお忙しく外出できない方のお宅へお伺いし、鍼灸治療をさせていただきました。
我が家も高齢の祖父母がおりますので、介護の大変さはよく分かります。
高齢の方には、それなりのケアがなされている場合が多いのですが、介護者のケアがなおざりにされいることが多いように思います(肩腰膝のトラブルを放置していたり、不眠など心身の不調がある方も多いのでは?)
日々の介護と家事に忙殺されて、治療院に行く暇もない方、疲れてしまって出掛ける気力が湧かない方、出張施術も承りますので、是非一度ご相談ください。
鍼灸の治療の効果に加え、家族以外の人とコミュニケーションを図ることが良い気分転換になるはずです。
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